【インポテンツと熱寒食養生】


【インポテンツとは】インポテンツ=性交不能症。

定義は、器質的原因や機能的原因による男子の性的交渉のうまくゆかぬ状態をさし、勃起不能、性交自体不可、精液流出障害、性交後不快感などが問題になります。

 器質的な原因はもちろん、精神的因子が原因として働いていることは多く精神的過緊張、恐怖、不安、性交嫌悪、精神的未熟、初交における失敗、過労などによって、早漏や勃起不十分、性交時不快感、オルガスムスの障害を起こします。

広義には、性交不能の他に、精液が少ないか全く出ないための生殖不能があります。
女性の場合は冷感症といい、インポテンツとは言いません。(南山堂医学大辞典より抜粋)

セックス一連の流れは、まず、@性欲が起こるA男性器が勃起するB女性器と交合するCオーガズムに達するD射精するという道筋です。
このうちの1つ又は2つ以上の要素が不完全な状態にあって、性交が十分に行われない場合をインポテンツ、性交不能症といいます。
精力減退とインポテンツは狭義において同義ではありますが、精力減退が持つ意味の方は幅が広く、個人的解釈にも相違があります。精力が減退していく過程で、インポテンツにもなりうると考えるべきでしょう。

肉体的又は精神的疲労と精力減退は、密接な関係がありますがインポテンツとは必ずしも相関関係があるとは言えないようです。
青年期 のそれは、精神的原因を明らかにして治療すれば比較的簡単に改善していくようですが、 初老期 の場合は、50%以上が成人病に関係があるといわれており、例えば@筋肉の神経経機能の衰えA感受性の低下B内分泌機能の退行性現象C精神的生理機能の衰えなどがあり、複雑で原因をつきとめるのが難しいといわれています。

『高麗人参はここまで効く』(発売元:兜カ藝春秋)という本があります。それによるとインポテンツを訴えて診療を受けに来た患者は、以外にも30才以下の青年が最も多いというデータが出ているようです。
また、精神障害などによるものは別として、機能的原因によるインポテンツの7割が精神的な原因によるものだといわれているようで、様々なストレスがはびこるこの時代と、それを克服しきれない若者たちを思うと、現代社会のゆがみを感じる思いがします。


【精のつくものは熱性が多い】

スッポン(+2)、マムシ(+3)、ニンニク(+3)など、いわゆる精がつくものといわれているものは熱性の高いものが多いようです。
ドリンクの中には、熱消耗性の疾患向けに、ニンニクを主成分にしたものもあります。

古代エジプト人が作ったあの巨大なピラミッドの建設には様々ななぞが秘められていますが、実際に作業をした人夫たちは、皆ニンニクを日常よく食べていたという話しもあります。

強壮効果を目的としたドリンクによく使われている成分なども同じようなことが言えると思います。
例えば、イカリソウ(性=温、帰経=肝・腎)ニクジュヨウ(性=温、帰経=腎・大腸)ジオウ(性=寒、帰経=肝・腎)オウセイ(性=微温、帰経=脾・肺)ニンジン(性=微温、帰経=脾・肺)クコシ(性=平、帰経=肝・腎)ハンピ(性=温、帰経=肝)という成分のドリンクがあります。

見ておわかりのとうり、7つの成分のうち5つが“温性”のものです。
また、生殖機能にかかわる症状は、中医学では“腎”の病証に入るわけですが、この成分のうち4つは腎経に属します。

インポテンツは、基本的に“腎陽虚”ととられます。腎陽虚を目標とした代表的な生薬に“鹿茸”がありますが、“命門の火を補う”といわれているようにやはり温性のものです。ちなみに帰経は肝腎です。

精神的な原因であるストレスも、血管を縮め血の巡りを悪くすることは周知の事実です。

こうしてみてみると、インポテンツというものは基本的に“寒タイプ”の疾患で、これに色々なものが重なると、さらに様々な症状を引き起こすのだと思います。
もっともストレス過多の場合に単に温めれば良いというのではなく、それを緩和するためのものを加えたり適切な養生指導をする必要があるのは言うまでもないことです。

よくありがちなのは、調子が悪いとぼやきながら、しっかり夜更かししているという状況です。
こんな時は午前様にならないように、遅くても午後11時までには床について欲しいものです。

《表1》インポテンツに良い食物

ウナギの蒲き(+2) ビタミンEが同量の牛ロースの100倍以上、秋刀魚の7倍含まれています。ちなみに、ビタミンEが不足するとハツカネズミの実験では、睾丸萎縮が起こることが知られています。
ニンニク(+3) スコルジニンという成分が代謝を促進し、ホルモンの分泌を促すため精力増強のこうがある
ヤマイモ (±0) アルギニンには精力増強の効があり、ムチンは他の蛋白質を吸収し合性を促進する効がある。
マムシ  (+2) 数種のアミノ酸を含んでおり精力増強の効がある。
スッポン (+2) すべての内蔵器官の機能をアップさせ気力を増し体を温め、精力増強の効がある。

《表2》熱寒別 亜鉛を含む食品

〈温〉 〈平〉 〈涼〉
ニシン  (+1) ゴマ(±0) アサリ  (−1)
イワシ  (+1) ハマグリ (−1)
レバー  (+1) 海草類
牛肉   (+1)
ヒマワリの種子(+1)

【昔話】


豊臣秀吉は、毎晩そばを食べた。豊臣秀吉は女好きで有名でした。
しかしそのわりには、どの側室に対してもなかなか子供が出来ませんまでした。
秀吉は、毎晩そばを食べていたそうです。
当時、そばは仙人が長寿のために食べるものだと信じられており、精力をつける食べ物として知られていました。
しかし、そばに含まれる代表的な成分としては食物繊維やカリウム、ビタミンB1、B2が多く整腸効果などを有するといわれています。
また、ビタミンPの1種であるルチンが含まれていますので、脳卒中などの予防には良いかも知れませんが、他の食物に比べて精力増強の効果が高いかという話しになると、疑問です。


【熱寒バランス】

うちでは、精力増強という目的でドリンクを飲みにいらっしゃる方の大部分が“熱タイプ”で、2、3千円クラスのドリンクを目の前にして、『一番効くやつ!!』などといって買っていって下さいます。
ついこの間のこと、常連のお客様でいわゆる“熱タイプ” 方がいらっしゃいまして、お買い上げ頂いた後、試作品としてきていたあるドリンクのサンプルをサービス致しました。数日後この方が再びいらっしゃいまして、『この間もらっやつ、あれ効くね!売り物もあるの?!』とのこと。
そのドリンクというのは、 笹(−3)を単細胞化したもので、この場合は、二日酔い気味で体がほてっていたこのにしてみれば、適度に冷やされてちょうど良い状態になったのではないかと考えられます。
そのため、いつも“横綱級”と言って飲んでいたドリンクよりも体調が良かったのだ思います。

また、反対にこんな例もあります。痩せ型でまさに寒タイプの方がいらっしゃいます。
この方、ここ数年○○○○黄帝ロ○ヤ○を1週間に3本くらいずつ買っていかれるのですが、この方の場合には、さらに加えて温性をプラスするような栄養補助剤をサービスで差し上げており、非常に喜ばれております。

このように、熱寒をご理解いただければ、ドリンクの勧め方、選び方も変わってくるのではないでしょうか。


この文章は薬局新聞に連載された原稿をホームページ用に再編集したものです。

大和久式熱寒食事検査法は日本国において特許を賜りました。


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